カンボジア旅行記~その2~

「夢」

 カンボジアでは、いたるところでトゥクトゥクが走っている。タイでは、バイクと一体型になっている本物のトゥクトゥクに乗れるんだけど、カンボジアではバイクに荷台を括り付けただけの簡素な代物しかない。まあ揺れる揺れる。

 てなわけで今夜は、歓楽街で出会ったトゥクトゥク運転手のおじさんの話。

 夜の歓楽街を一人で物見遊山していたら、一人のおじさんに日本語で声をかけられた。実は、カンボジアの人は日本語話せる人がかなり多かった。ただし、このおじさんの日本語はやたら流暢だった。正直びっくりするレベルだった。

 いわく37歳。昼間は日本語の勉強、夜はトゥクトゥクの運転手をしているんだそう。「今は日本とカンボジアの歴史について勉強しています。将来はガイドになりたい。」

って目を輝かせながら言っていた。

 自分がその年齢になった時、果たして僕は夢を語れるだろうか。そんなことを思った。でも、夢を見て努力を続けているおじさんは僕の目にはかっこよく映った。

 あのおじさんの夢が叶うといいなあ。絶対いいガイドになれると思う。

 

 ちなみに優しかった。「君のホテルまでの道は狭くて危ないから、トゥクトゥクに乗っていったほうがいい。何なら僕はしばらくこの通りにいるから。」って。そういうちょっとした好意は結構うれしい。あと、道が狭くて野犬がいたのは本当のこと。そんな危険な宿に泊まってたんだなと感慨。生きててよかった。