2020-01-01から1年間の記事一覧

「無力」

最近、昔ほどは「無力感に苛まれる」ことが無くなった。 きっとそれはここ最近で出会った人たちのおかげだと思う。そんなことをつらつら書こうと思う。 完璧になりたかった。 よくタスクを抱え過ぎだと言われるし、自分でもそう思わなくはない。(なんだった…

「むじゃ」

8月13日 山にくわがたをとりにいった。でもおとうさんがくれた「そうがんきょう」をなくした。さがしてたら「むじゃ」にあった。けむくじゃらで、なにかゆうと「むじゃー!」ってゆうから「むじゃ」。ひとりでないてたらくすぐられた。しかえししたら、や…

「一年後の夏」

昨年のちょうど今頃、病院から退院した。普通だったら入院するほどではないマイコプラズマ肺炎だったのだけれど、医者にかかった時には既にだいぶ進行していたこともあり、そのまま10日間ほど入院することに相成った。 倒れる少し前、夜10時から朝4時までひ…

「ヒスイの街にて」

「ヒスイの街にて」 4月25日 たどり着いた先は寂れた街だった。客待ちのタクシー運転手はあまりに暇を持て余したのか居眠りをしているし、駅前に目立つものといえばカラオケ屋くらいしかない。海へと続く商店街からはオルゴールの音が聞こえた。予約したホテ…

「どこかで聞いた歌」

冬を迎えつつある街の寒さは日に日に厳しさを増していく。そろそろ手袋を出そうなどと考えながら、かじかんだ手でポケットの中のカイロを握る。どこからかクリスマスソングが聞こえた。ふと目をやると、路沿いのレストランが既にツリーが飾ってあることに気…

「花一つ」

「花一つ」 もうじき雪が解ける 差し込む光が温くなった あいつは死んでしまっただろうか 夏草の匂いがよぎる もうやめろ聞きたくもない 誰も歌なんて求めてない 暖かく暮らしていればいい それでいいそれだけでいいと諭す僕を あいつは笑い飛ばして 信じら…

「キリギリス」

「キリギリス」 冬になったら寒くなったら この喉はもう震えなくなるから 雪が降ったら夏を忘れたら 僕はもう、死んでしまうから 空を飛ぶための 羽はとっくに破けてて 高く跳ねるための 足は一本だけじゃ飛べないな 誰も僕の唄なんか聞いてない 道行くアリ…

「迷惑な話」

山登りが趣味だった。 といってもそんな真剣な登山じゃなくて、標高500~800mの山を歩く程度。災害用のグッズが入ったカバンに、ドライフルーツを入れて。家の近くの山を回った。開けた斜面に一人で座って、水を飲みながらフルーツをかじる。ただ遠くの街を…

「ペンネーム」

憎たらしいほど空は晴れている。 「今この場所がどんなに曇っててもさ、どっか遥か遠くの空は絶対晴れてんだよ。」 あいつが自慢げにそう言っていた。僕はそっけなく返す。 「当たり前だろ、雲がそんなでかいわけないんだから。」 それを聞いたあいつは馬鹿…