カンボジア旅行記~その7~<終>

「笑顔」

 この旅行記も、もうおしまい。

 カンボジアでは、いろんな人の笑顔を見た。夢を語っていたおじさん、ジュース屋さんの親子。彼らだけじゃない。町で出会った人、トゥクトゥクの運転手、ホテルのオーナー。

 「さすがは微笑みの国」って僕が言ったら、「お前それタイや」って二人に笑われたっけ。どっちかっていうと、カンボジアの人のほうがタイの人より笑っているイメージがあったけどなあ。

 もっと言ってしまうと、笑顔の人が多い順番に国を並べると、カンボジア>タイ>日本、な気がしてしまう。単純に経済状況と反対だ、と言いたいわけじゃない。

 タイで会った人に聞いた話。「君たちの国には笑っている人たちが多いと思う。どうして?」って。彼はこう言った。「別に楽しいわけじゃない、それどころか生活も辛い。でも笑うんだ。」カンボジアで出会った彼らが笑う理由もこれなんじゃないかと思う。

 辛いことを嘆いてもどうにもならないということを、きっと彼らは僕ら以上によく分かっている。だから、辛さと戦うのではなく、辛さと仲良くなることを選んだのではないだろうか。

 上の考えは、僕の想像だ。でも、僕の目には、彼らが強くて気高い人たちだと映った。僕もそうありたいと強く思う。そんな話。

 

 最後に。

 今回の旅行では、辛いこともいっぱい見た。途中で体調を壊しかけたりもした。期間が長かったから、けんかもぶつかり合いもした。 

 でも、行けてよかったと心から思っている。知らなかった世界を見られたことは一生残る貴重な体験だった。

 18歳の夏の話。